地方では昔、農業が主な産業として地域経済を担っていた部分があると思いますが、近年は地方の人口が減少しなかでも若い世代の人口減少が大きく農家をやらなくなり農地が売却さられることが多いという話をよく聞きます。
その農業を行ううえでJAと呼ばれる農協という組織との関係が必要になります。
今回、その農協のことについて紹介された書籍を読んでみました。
なぜ農協について取り扱った書籍を読もうと思った動機については私自身地方で暮らしていて最近農協との関わりがあったので、農協とはどんな組織なのかということが気になり読んでみました。
こちらの書籍は共同通信社の記者が執筆された本で主に農協の全国組織であるJA全中と政府との駆け引きについて解説されています。
JA全中は全国に地域別に設立されている農協を統括して方向性について検討したり政府や自民党との関係性を構築していく組織です。
本部は東京の大手町にあり農協というと地方のイメージが強いですが、都内にも本部や地域農協も存在しています。
地域別に設立されている農協も農家の減少の影響もあり近隣の農協との合併が相次いぎ個々の農協の組織も改変がなされています。
共同通信社の記者が執筆している関係で官邸や農林水産省やJA全中など中央での出来事の取材がまとめられています。
全国の地域の農協の組織再編がなされるなかで、その全国の農協組織を束ねるJA全中の組織改革を中心に政府がJA改革を実現しようとします。
農協の契約形態には農家の契約が主体になる組合員と非農家の契約者で成り立つ準組合員という二つの形態があります。
政府は準組合員の利用規制を実施しようとしますが、冒頭説明した通り年々農家の人口が減少している昨今では準組合員の利用規制がされると地域農協の経営に大きな打撃を与えかねないという指摘があり積極的な規制には踏み込みませんでした。
農協は農業に関する事業だけではなく、銀行であるJAバンクや保険といった金融業務を担っていてそれが地域農協の利益になっている側面もあります。
政治とJAの駆け引きはこの書籍での読みどころだと思います。
後半部分は地域農協の取り組みについて紹介されています。
人口減少の時代都市部よりも地方の方が負の影響を受けやすいですが新しい風を取り入れながら、この逆風に挑んでいる様子が感じられます。
主にJA全中や霞ヶ関や永田町との駆け引きが多く紹介されていますが、農協とはどんな組織なのかということが入門レベルでわかる内容になっています。