昭和の時代ならば長時間労働して大量に製品を製造したり開発したりして、企業の業績を伸ばして所得も上げてきたと思いますが、平成そして令和となった現代社会においては人口も減少して昭和の時代とは社会が随分と変化していきました。
今回読了した、「未来の年表業界大変化」では人口が減少していくなか今後日本社会に起こりうる出来事について様々な統計データを用いながら分析された書籍です。
人口減少、少子高齢化となると生産年齢人口が減り労働者が減少しあらゆる産業で人材不足に陥りそれと同時に、消費者も減少して需要も減少していきます。
主な消費活動が盛んな世代が現役の生産年齢世代なのでその層が減少していると需要も自然と減るのは当然のことなのです。
従って昭和と同じビジネスモデルで事業を行っても生産者も少なく供給体制も弱体化していて尚且つ消費者も少ないので、需要も減少する訳ですからうまくいくはずがありません。
そのような時代にどのようにすれば社会に対応できるのかを考えていくのがこの書籍の目的です。
前半部分は各分野で今後起こり得るであろう現象について、紹介されています。
物流やインフラ、金融、住宅、行政やさらには寺院といった分野まで今後起こり得ることを統計データを用いながら紹介されています。
後半部分はそれらを踏まえてどのようにすれば人口減少社会に対応できるのかを著者の見解が記されています。
読んでいて、以前私が自宅に帰宅するために電車を待つ駅のホームで数人のグループがいて、その一人の年配のサラリーマンが昨今の働き方改革に伴う労働時間の見直しや規制の話が広がる社会に対する不満を漏らしていて「昔は長時間働いて大量生産したから日本社会が良くなった海外との国際競争にも残れた今の若い世代は所得に対する意欲もないからダメだ」などと話していたことを思い出しましたが、いくら努力しても人口が増える訳ではないので、昔のやり方でやろうとしてもうまくいかないので転換期を迎えているのだなと思いました。
最近は、多様性が尊重される時代でそれは個人だけではなく企業も同じということだと感じます。
今までは量産型でうまくやってこれましたが、人口減少時代に突入しているのでいくつか手段はありますが、著者が指摘している一つに各企業にはそれぞれの個性や得意分野があるので、そこに集中投資していくのもこれからの時代に必要なことのようです。
日本の社会はなかなか変化が遅れているといった捉え方もありますが、今大きな転換期を迎えているのは事実なのでそんな時代に今後どのようにしたら良いのかということを考えるきっかけになり参考になる書籍だと思います。