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地方在住の読書好きで主に通勤電車内で読書をしております読んだ本の内容を整理するためにブログを開設いたしました。 新書を中心に気になるテーマの書籍を読みながら読書Lifeを過ごせたらと思います。

NTT出版の「LSE物語 現代イギリス経済学者たちの熱き戦い」木村雄一氏著を読了しました。

イギリスの大学は日本の大学制度と異なり一つの大学内に複数のカレッジが構成されて成立していることが多く今回読了した「LSE物語」という書籍では、イギリスの社会科学系総合大学の「the  London School  of Economics  and political  science」頭文字をとってLSEと呼ばれている大学の歴史について紹介された本です。

イギリスの名門校のオックスフォード大学やケンブリッジ大学と肩を並べる名門校として世界から評価されています。

日本からも官僚や政治家などをはじめ多くの留学生が渡英して社会科学を学んでいるため日本国内でも知名度が高いです。

イギリスの大学と日本の大学制度が異なるので、単純比較することが難しいかもしれませんが、社会科学の分野で有名な一橋大学が似ているのではないかなと感じます。

イギリスはアダムスミスやケインズといった経済学の礎を作り上げた学者がいて経済学を学ぶ上で欠かすことのできない存在です。

そのイギリスにあるLSEは経済学を主体としながら政治学や社会政策学など幅広い社会科学を研究してノーベル賞受賞者も輩出している世界でもトップクラスの教育研究機関です。

このLSEの設立された歴史について主に紹介されていることが特徴です。

オックスフォード大学とケンブリッジ大学を合わせて「オックスブリッジ」などと呼ばれることがありますが、この両校では所謂イギリスが階級社会だった時代には上流階級にしか開かれていなかったようですが、そのほかの階級の人々にも開かれた大学で高等教育をということで、設立されました。

当初はケンブリッジ大学から教員を派遣してもらいながらになりますが、イギリスの経済政策にも介入するまで発展します。

イギリスも日本と同じような学生運動など荒れる時代があるなどイギリスの高等教育の歴史についても紹介されています。

LSEはオックスブリジとは対抗する形で設立された経緯があるのでLSEの経済学者は格差是正などの福祉政策に重きを置いているところが印象的でした。

イギリスは経済学発祥の地といっても過言ではないので、そのイギリスの社会科学の教育研究機関の歴史について触れることはイギリスの経済学史さらには経済学全般の歴史について触れることのできるのではないかと感じます。

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