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地方在住の読書好きで主に通勤電車内で読書をしております読んだ本の内容を整理するためにブログを開設いたしました。 新書を中心に気になるテーマの書籍を読みながら読書Lifeを過ごせたらと思います。

角川新書の「サラリーマン生態100年史」パオロ・マッツァリーノ氏著を読了しました。

歴史を振り返る書物は多々ありますが、庶民の暮らしぶりを解説した書籍は少数なのではないかと思います。

今回読了した角川新書の「サラリーマン生態100年史」では、多くの人が経験するであろう会社勤めをしているサラリーマンにスポットを当てて紹介された内容の書籍です。

著者のパオロ・マッツァリーノ氏は自称イタリア人の日本文化史研究家という謎の多い覆面作家が執筆されていて、この方の作品は他にも読んだことがあり面白かったので今回も読んでみました。

主に昭和時代のサラリーマンの生活実情について紹介されていてサラリーマンが経験する満員電車での通勤に関することや出張事情やマイホームに住宅ローンや休日の過ごし方まであらゆることがユーモアを交えながら紹介されています。

端的に読んだ感想を申し上げるといつの時代も人々が考えていることや感じていることは、同じなんだなと思いました。

昭和の時代を経験しているベテランサラリーマン達は、「昔は寝る間も惜しんで24時間働いていた最近の若者は全然働かない根性のない奴らばかりだ」と豪語する人はたくさんいらっしゃいますが実際のところはそうでもないことが昭和時代の新聞記事や文献などから明らかになっているようです。

確かに昭和の時代はモーレツサラリーマンという言葉が存在していたので勤務時間が多かったと思いますが、当時も活気がない若手社員は存在していたようですから、今の若手とそんなに差はないと思います。

時代が進むにつれてテクノロジーも発達して昔よりも効率的に仕事が処理できるようになったりと良い面は多々あるでしょう。

この「最近の若者はダメだ俺の若い頃はすごかった」というフレーズは古代エジプトの時代から言われ続けていることでジェネレーションギャップというのでしょうか、世代間格差ができた時点で発生する現象なんだと思います。

 

歴史を振り返るといった内容の書籍は国全体の動きなどマクロな視点にスポットを当てた書籍が多いと思いますが、サラリーマンという身近で尚且つ多くの人が経験する存在に焦点を当てた作品はあまりないと思いますので、大変面白かったです。

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