昭和というと、時代が長いので一概には言えませんが、太平洋戦争の印象が強く食べ物に困っていたというイメージが個人的にはあります。
特に戦時中は勿論のこと、戦後直後は大変だったと思います。
戦前から戦中そして戦後直後に活躍された喜劇役者として知られる古川ロッパ氏が執筆された作品を今回読んでみました。
古川ロッパは、早稲田大学文学部英文学科を中途退学した後に文藝春秋に入社して、エッセイストとして活躍されてから喜劇役者として活躍されました。
古川ロッパは大食いであり食通(グルメ)であることから、食にまつわるエッセイも多く執筆されています。
今回読了した「ロッパ食談」ではその食にまつわるエッセイが、一冊の文庫本にまとめられています。
古川ロッパは富士屋ホテルが行きつけのホテルだったようで、富士屋ホテルでの滞在記を以前読んで大変面白かったので、一冊に食談がまとめられているこの書籍を読んでみることにしたわけです。
読んでいて昭和の時代も食のバラエティーが豊なんだなと感じました。
てっきり最近のスイーツだとばかり思っていました。
昭和の初期の時代も貿易が活発で、様々な国から食材が日本に輸入されていることがわかります。
なるほどなと感じたのが、古川ロッパが世界中を旅してその国の料理を堪能したいと考えていたようですが、外国に滞在中はその国の料理しか食べることができないと思い断念したようです。
確かに日本にいると様々な国の料理を堪能することができるので、わざわざ食事の為だけに海外へ渡航するのも大変ですからね。
日本でも現地の外国人が調理して料理を提供してくれる飲食店も多く存在しますし、貿易も活発ですから現地の食材を輸入して調理することも可能ですからね。
日本にいても本場の料理を楽しむことができます。
昭和の時代から食のバラエティーが豊なのはわかりましたが、一方で一般の庶民がそんなに色々な料理を楽しめたのかが疑問です。
古川ロッパのような有名人だから楽しめたのかな〜なんて感じたりもしました。
作中、銀座の料理店が多々登場しているので庶民の食文化とは多少違ったりしたのかな〜なんて感じたりもしました。
とはいえエッセイストでもあったことから、面白い文脈で昭和の食文化について紹介させているので大袈裟に申し上げると、食の歴史を学ぶこともできると思います。
書の後半は落語家の立川志らく氏が解説をされているのでそこも面白かったです。
また機会があれば古川ロッパについて勉強してみたいと思いました。