総合商社は日本特有の組織であると同時にあまり一般の消費者との接点がないので、なかなか事業実態など把握し難い存在です。
そんな総合商社について様々観点から考察していく書籍です。
総合商社は時代ごとに事業形態を変革して経営してる組織であるといことは別の総合商社について紹介された書籍を読んだ時に書かれていましたが、この書籍は2017年に出版されているので、ここ最近の総合商社の事業実態を把握する分には問題無いと思います。
総合商社は今現在のところ日本にしか存在しない組織と言われているそうですが、それが何故なのかということを戦前まで遡り総合商社のこれまで歩んできた歴史を踏まえて総合商社の実態を考察していく流れとなっています。
現存する総合商社について知る上で大事な7大商社と言われる三井、住友、三菱、丸紅、伊藤忠商事や双日、豊田通商などの大手商社の歴史についても紹介されています。
海外にも商社に類似した組織はありましたが今現在では、ほとんど存在しません。
その理由についても日本の総合商社と比較しながら考察することができます。
また経済学者が執筆されていることからマルクス経済学などの主流経済学の観点から総合商社の活動について分析されている部分もあるので、そこら辺もなかなか面白い話だと思います。
日本の開国後に海外との貿易が活発化してから総合商社と言われる組織が盛んに設立されて日本のグローバル化の一躍を担った存在であることは間違い無いと思います。
ただ時代の変革に伴い社会の需要などが変化してくることがあります。
そんななかでもどうしたら今後も総合商社が生き残っていけるのかということを著者の視点から予測し提言されています。
総合商社というと冒頭述べたように一般の消費者との接点があまりないのでどんな組織で事業形態はどうなっているのかなかなか知る機会がないと思いますが、この書籍を読むことで総合商社について考えるきっかけになると思います。