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地方在住の読書好きで主に通勤電車内で読書をしております読んだ本の内容を整理するためにブログを開設いたしました。 新書を中心に気になるテーマの書籍を読みながら読書Lifeを過ごせたらと思います。

朝日新書の「ルポトラックドライバー」刈屋大輔氏著を読了しました。

普段生活していく中で使っている日用品をはじめ様々な商品はトラックを使って運ばれてきます。

社会になくてならないインフラが物流です。

物流業界では長年ドライバーの人材確保や長時間労働が問題視されてきました。

そして2024年にはトラックドライバーの労働時間の制約が行われて物流がこれまでのように機能しなくなるのではないかという懸念があります。

今回読了した、朝日新書の「ルポトラックドライバー」は物流業界を取材してきた著者がルポルタージュ形式で物流業界の現状について紹介されています。

トラック輸送の分野では長距離運送や街中で見かけるヤマト運輸や佐川急便や日本郵便などの小型配送トラックで個人宅や企業を訪問して荷物を届けるケースや大型トレーラで貨物船に積まれたコンテナを運搬するドライバーなど多岐に渡ります。

その各分野のドライバーに著者が同乗して取材を行う方法でトラックドライバーの仕事内容について紹介されています。

報道でもあるように、2020年に新型コロナウイルスが流行して以降ネット通販の利用拡大による、個人宅への配送が増加して不在に伴う再配達によるリスクや大型トレーラーの港でのコンテナの積み込みの際に長時間、港付近で順番待ちを行わなければならず、それが非効率な長時間労働の要因にもなっている現状などが記されています。

前半部分はトラックに同乗した取材記録が紹介されていて、後半部分はドライバーの人手不足と2024年からの労働時間規制に対応するための対策が紹介されています。

こうしたことを踏まえて一般のユーザーも置き配の要望や宅配ボックスの活用など従来なかった方法で荷物を受け取るようになってきました。

他にも長距離ドライバーの勤務時間対策では中間区間のパーキングエリア等で反対方向からやってきたトラックドライバーと交代して元の場所に折り返すことにより乗務区間が半減されてドライバーの長時間労働の抑制につながる取り組みなど業界の対策についても紹介されていました。

また近年AIを活用した、自動運転などの開発状況についても紹介がされています。

欧米などの諸外国と比較すると開発スピードや法整備はまだまだ進んでいませんが、テクノロジーを活用した取り組みが進めば人手不足の解消につながっていくのではないかと思われます。

物流業界は社会に必要不可欠なシステムでありながらそこで働く従業員の処遇や課題について2024年問題がある関係でクローズアップされた面はあるかもしれませんが、それまではあまり焦点を当てられていなかったのではないかと感じました。

物流業界について解説された書籍は今回初めて読みましたが、ドライバーさんの勤務実態や物流業界の課題などルポルタージュ形式で紹介されていたのでノンフィクション好きの私には面白く読ませていただきました。

 

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