普段通勤でJRを利用させていただいているのと同時に、公共交通機関にそこそこ興味がありましたので、読ませていただきました。
著者はJR高崎線で英語車掌と呼ばれていた有名な車掌さんだそうで、JR東日本に在籍されていた時の経験を紹介した作品です。
日頃JRの乗務員はどんなことを注意しながら乗務を行っているのかということを中心に紹介されています。
著者は入社後に保線業務を担う部署に配属されて線路の安全性を管理する業務をされていました。
その為、保線業務と乗務員の仕事の両面が紹介されているのが特徴です。
通常保線業務から乗務員の業務に移るということは異例中の異例だそうです。
他にも巨大組織であるJR東日本の社内事情などが紹介されていて興味深ったです。
普段鉄道を利用していてもなかなか乗務員の仕事内容などは分かりませんがこの書籍を読んでいると乗客の立場からは想像つかないほど様々なことに注意しながら乗務されていることを知ることができます。
乗客としても電車を利用する際の注意点も紹介されています。
例えば友人や家族を駅のホームで見送る際には大きく手を振ったりといったことはしないほうがいいです。
大きくジェスチャーをしてしまいますと、駅員や乗務員に対して非常事態であることを伝えていると認識されてしまいますので、運行に支障が生じますからホーム上で大きな動きはやめた方がいいそうです。
他には鉄道業界の専門用語や乗務員の勤務体系など鉄道業界を目指している方には有益な情報がたくさん紹介されています。
最近ではJR東海が車掌による英語のアナウンスを取り入れていますが、より安全に尚且つ安心して乗客が鉄道を利用できるようにするにはどうすればいいのかを、自問自答されながら熱心に乗務されてこられたので、英語アナウンスを導入して外国人利用者にもわかるように情報を提供して誰にでも安心して利用してもらう配慮をされたのだと思います。
日頃乗務員がどんなことに気をつけながら運行業務に従事されているのかがよくわかる書籍なので、普段鉄道を利用している人が鉄道の事を理解するには良書だと思います。