昔書店で気になっていましたけど、当時は購入することはなかった本を最近購入して読んでみました。
ちくま新書の「入門経済学の歴史」というタイトルの書籍です。
経済学に関する書籍は何冊か読んだことがありましたが、経済学の歴史にスポットを当てて書かれた書籍は読んだことがなかったので、興味本位で読んでみました。
著者は、京都大学大学院経済学研究科教授で現代経済思想史の専門家である根井雅弘氏です。
古典派経済学の分野を語る上で欠かせない存在であり、経済学の礎を作ったとされるアダム・スミスやケインズやマルクスといった有名な経済学者の理論を解説していくのがこの書籍の特徴だと思います。
経済学は日本では一応文系に分類される学問ではありますが、経済理論を解説するとなると、数式を用いた説明が必要になってきますので数式を読む部分は少々多くなってしまうと思います。
またこの本の書評やレビューを読んでいると、タイトルに入門と書かれているが初学者向きではないというコメントが多々あるようにある程度基礎知識がある方が読みやすい印象を受けます。
何冊か経済学に関する書籍を読んだことがありますが、自分には基礎知識がないことを痛感させられてしまいます。
経済学部や商学部を卒業されている方ならすらすらと読めるのではないかと感じます。
理路整然と、と言いましょうかかなりフォーマルな文脈で書かれているので初学者からすると難読な印象を受けます。
西洋や米国の経済学者の理論を中心に主に古典派と呼ばれる経済学の理論を中心に紹介されていますが、各学者の理論と共に経済思想についても紹介されていて、人間の感情の部分も社会科学であるからなのか理論のベースになっているのかなと感じました。
各章の最後にコラムと題して章で取り扱った理論のまとめなどもされているので、著者が読者に対する配慮がされていることが伝わってきます。
後半には補説などもされていて初学者を意識した構成にはなっていますが、自分にはまだまだ基礎が身についていないので、ちくま新書にも経済学の初心者向けの本が多数出版されているので、今度また機会があれば読んでみたいと思います。
学問の奥深さを感じました。