昔、社会学に興味があるのを思い出して社会学の概要について知りたくなり、ちくま新書の「社会学講義」を読んでみました。
橋爪大三郎東京工業大学名誉教授など著名な社会学者が、社会学概論、理論社会学、都市社会学、家族社会学、文化社会学、社会調査論といった分野を講義形式で紹介した書籍です。
1993年に出版された「わかりたいあなたのための社会学・入門」に補筆して第5章を加えて2016年に出版されました。
社会学概論や理論社会学でマックスウェーバーやエミールディルケームといった古典的な社会学者の理論が紹介されたり社会学の歴史についても触れることができます。
この本を読んでみて、社会学は人間社会を研究対象としているので多少哲学的な要素も含まれている印象を受けました。
法学、経済学、政治学といった他の社会科学では補えない社会現象を研究対象にしているのでかなり広範囲にテーマを広げているのが特徴だと思います。
この書籍で取り上げたテーマ以外にも数多くの社会現象を取り扱った社会学があると思います。
そうしたことから、社会学と一括りにしてもパッとしたイメージが湧きにくくなかなか掴みどころがないのだと思います。
例えば法学は法律について政治学は立法府や行政について、また経済学は企業活動や市場について研究している学問というように、他の社会科学では研究対象が絞られているのでイメージはつきやすいのですが、社会学ではなかなかこれといったイメージがありませんでした。
なので自分自身が社会学に対する興味を持っていたのかもしれません。
人間社会を分析対象にしているから哲学のような要素を持っている印象があるかと思えば、社会現象を数式なので計算して統計学のような要素を持った分野もあり様々の角度から社会を分析している学問だということがわかりました。
これからもまた機会があれば社会学について紹介された作品を読んでさらに社会学の理解を深めることができたらいいなと感じます。