日本は、長年デフレの状態が続きなかなか物価が上昇せず、景気が低迷し続けています。
不景気の状態が長期間続くと、賃金は上昇せず積極的な消費にお金が回りません。
従って企業も値下げをせざるを得ず、また更に賃金が上向かない悪循環が続きます。
日本がこのデフレスパイラルから抜け出すことが出来ないなか、海外ではベースアップもして尚且つ物価も上昇して経済が上向いている状態で、日本がこのままだと非常に危険だとする危機意識が強くなりました。
今回読了した、日経プレミアシリーズの「安いニッポン「価格」が示す停滞」では、日本経済新聞の連載企画を一冊の書籍にまとめた作品で、日本の物価に対する危機意識も持たなければならないことを訴えています。
この作品は様々な報道番組やメディアで取り上げられていて興味深っかたので読んでみました。
日本の物価と海外の物価を比較する際に、世界的に知名度の高いグローバル企業の商品価格やサービス価格を比較しながら日本の物価を比べる方法があるようで、こちらの書籍でもいくつか紹介されています。
ファストフード大手のマクドナルドのビックマックの価格を比較するビックマック指数というのが一つにあります。
この書籍では他にもディズニーリゾートのチケット価格を比較したりして、日本は低価格で供給していることがわかります。
また日系企業が、海外拠点でどの程度の価格で消費者に供給しているのかということも紹介されています。
日本は長期間デフレの状態が続いてしまい商品価格も上げられず、様々なコストカットを行いながら値上げを回避してきました。
そうなるとベースアップをすることもできずに負のスパイラルが長期間続いてしまいなかなか脱却することができません。
消費者にとっては商品価格が低いことは短期的見ると良いように見えると思いますが、マクロな視点で見るとデフレスパイラルから抜け出せず個人の賃金も上昇せず経済が成長していかないので、税収も伸びす多くの人々のライフプラン設計などにも影響がでることでしょう。
またこの書籍でも指摘されていましたが、物価低くいと外資系企業などに吸収されてしまったり人材が海外へ流出してしまったり、逆に海外から優秀な人材が日本へ入ってこないので、イノベーションも起こらず活性化せず衰退してしまう恐れがあるという指摘がありました。
デフレが長期間続いてしまったので経済に関することに限りませんが、同じことが続いてしまうとなかなか抜け出すことができず企業も消費者も一歩を踏み出すことがなかなか出来ないと思いますが、今の景気の現状を把握する上で参考になる書籍だと思います。