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地方在住の読書好きで主に通勤電車内で読書をしております読んだ本の内容を整理するためにブログを開設いたしました。 新書を中心に気になるテーマの書籍を読みながら読書Lifeを過ごせたらと思います。

光文社新書の「AI時代の新・ベーシックインカム論」井上智洋氏著を読了しました。

暑い日が続くと労働意欲が失われてしまいます。

そんななか、今回読了した光文社新書の「AI時代の新・ベーシックイアンカム論」を買ってみたわけです。

ベーシックインカムという制度自体、18世紀の頃からヨーロッパで議論されている古い制度だそうで、日本では最近AIの技術が注目されるようになり、ここ数年話題になるようになりました。

 

AI(人工知能)が発達するようになると、これまでの労働体系が大幅に変化するのではないかと言われるようになりこれまで人間が行ってきた仕事をAIが代替するようになると、今まで労働から得られた収入が得られなくなると思われることから新たな収入源を確保する必要性があります。

 

今回読んだ書籍はAI技術とセットでベーシックインカムについて考察していく作品です。

 

ベーシックインカムは最低限の生活費を政府が保障する制度で、全国民が受給対象になるのが特徴のセーフティネットです。

生活保護などでは、資産状況や生活支援が可能な親族の有無などを行政機関が調査を行うので、申請を躊躇する人が多く発生しているので、本来対象になるはずの人が支援を受けられないといったことが起こっているわけですが、ベーシックインカムの場合は全国民が対象になるので、受給漏れが起こらない制度です。

ベーシックインカムの支給額をいくらするのか、一律なのか個別の事情に応じて金額を査定したほうがいいのか、またベーシックインカムが導入された際、現状の社会保障をどうするのかといったことはよく議論されていることだと思いますし、この書籍でも著者の見解が紹介されています。

著者が駒澤大学で経済学の研究に従事されていることから財政システムなどを通して財源の確保の方法など経済学の視点で説かれています。

 

 

また政治思想を通して日本の労働文化の歴史や海外の労働文化や人生哲学に触れられており、今後の人類のあり方についても考察されています。

人類の歴史を振り返ると様々な産業革命があり、その歴史を振り返りながらそう遠くないAIが普及した社会で人間がどのような価値観を持ちながら過ごしていけば良いのかということを考えるきっかけになると思います。

 

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