Reading

地方在住の読書好きで主に通勤電車内で読書をしております読んだ本の内容を整理するためにブログを開設いたしました。 新書を中心に気になるテーマの書籍を読みながら読書Lifeを過ごせたらと思います。

光文社新書の「若者は本当にお金がないのか?」久我尚子氏著を読了しました。

「最近の若者は消極的だ」と年長者が口癖のように言っていますが、実際のところはどうなのかということが気になりまして、光文社新書の「若者は本当にお金がないのか?」という作品を読んでみました。

著者は、ニッセイ基礎研究所という日本生命系列のシンクタンクにお勤めの久我尚子氏で時折ニュース番組などで消費者の行動心理について解説されているのを何度か見たことがあります。

まず統計とは何かという解説から始まって、主に国が公表している統計データを用いながら若者の就労実態や消費傾向や恋愛結婚といった、家族観に至るまで幅広く若者の実態について紹介されています。

またバブル世代の若者と比較しながら、若者の収入面や消費動向について紹介されているところも特徴なのだと思います。

バブル世代と現在の若者の収入を比較すると統計上では今の若い世代の方が所得は増加していることが確認にできるので極端に今の若い世代が貧困状態で消費に消極的とは言えないと思います。

この書籍では比較の対象がバブル時代なので個人的にはバブル期が異常すぎるところがあるのではないかなと感じてしまいます。

バブル期と比較すると、イノベーションなどにより低価格で高品質の商品を入手しやすくなっているのであまりお金をかけずに済むといったことが背景にあるのも今の若者が消費に使う金額の減少の一つの要因になっているのかもしれません。

 

消費のことに収まらず若者の家族観といったことに関する統計データも紹介されています。

最近の若い世代は恋愛や結婚に関することに無関心じゃないのかと言われていますが、統計では必ずしもそうではないということが示されています。

昭和の時代は職場などで知り合うケースが多かったようですが、最近ではコンプライアンスも影響しているのかある程度、距離感を取りながら職場の人間関係を築いていることがあり職場で知り合うケースは減少しているようです。

ただ最近はマッチングアプリやAI(人工知能)を活用したマッチングサイトも増加していき昔とは違った形でパートナーを見つける人も増えていくでしょう。

 

 

出版されたのが2014年ということもあり使用されている統計データが少々古く2022年現在だと主に30代前半の年代を調査の対象にした統計データが用いられていますので、今の20代とは多少違ってっくることはあるかもしれませんが、若者の特徴を捉えることに於いては有用ではないかなと感じます。

 

f:id:Leading:20220226160431j:image