東京都の地形は細長くその中に様々な文化が入り組んでいる都市なので、地方では得られない魅力を感じます。
そんな東京23区内にも様々な特色があるが故に格差が生じているようです。
今回読了した中公新書ラクレの「東京23区×格差と階級」では長年東京23区の地域格差を研究してきた著者があらゆる統計データを用いて各地域の格差について解説されています。
格差について議論がされるとき主に収入といった、経済的なテーマで議論される事が多いと思います。
この書籍でも主に東京23区内の地域における、東京都民の収入格差について説かれています。
東京都内には様々な文化や特色があるので、それに比例するかのようにその地域の住民性も変化していきます。
それによって山の手地域と下町の地域における収入の格差が生じてしまいます。
かなり大きな格差だと思います。
山の手地域というと港区や渋谷区といった都市部が主に挙げられます。
一方の下町というと足立区や葛飾区などが挙げられます。
その地域の特色が住民にも反映される事が多いので、職業や家庭環境が決まる事が多い傾向にあるようです。
都市部の住民はホワイトカラー層などが多いので、収入も多くそうした家庭で育つ子は親御さんが教育熱心な傾向にもあるので高等教育を受けやすく親御さんと同じようにホワイトカラー層となり高収入を得やすい傾向があります。
一方下町では、ブルーカラー層などの職人業に就く方が、多いのでなかなか高収入は得にくい傾向があることが統計資料などからも確認できます。
ただし統計データですから、その型にはまらないケースも多々あります。
著者が格差を解消に近づける方法なども解説されています。
主に収入の格差について紹介されていることが多いですが、東京23区の収入外の特徴である地形や歴史の紹介もあり楽しめる作品だと思います。