2020年9月に8年近くにも及ぶ長期政権が幕を下ろし新しい政権が発足しました。
その政権のトップに就任したのが、安倍政権下で官房長官を務められた菅義偉氏です。
その菅義偉さんをテーマにした書籍です。
朝刊の広告に掲載されていたのでつい購入してしまいました。
前半部分は菅さんの生い立ちについて紹介されていて後半では菅さんと関係のある政治家について紹介されています。
菅さんのご両親のことや故郷のことなどが紹介されていて戦後の時代の苦労話などが知ることができます。
ただ、一通り読んでみると菅さんご本人のエピソードというより、菅さんの周辺の人々のエピソードが多く紹介されていて途中で何をテーマにしているのか分からなくなる部分をあるという印象はあります。
書籍レビューなどを読んでいても辛口なコメントが多いのでそういったことが原因なのだと思います。
それでも平成の政治史のことを知れたり、世襲議員との違いを比較することができたり色々勉強になることはありました。
加藤の乱など平成の初期に起きた政局のことについては、あまり若い世代は知らないじゃないかなと思いますので参考になると思います。
加藤の乱は当時支持率が低迷している森喜朗内閣に対して加藤紘一氏などが中心となり、自民党総裁の森喜朗氏を首相の座から引きずり下ろそうとする与党内の派閥抗争ですので、旧民主党政権から安倍政権の時代しか知らない若い世代には新しい発見になるのではないかと思います。
著者のインタビューに対して菅さんも第二次安倍政権下で政権与党内での派閥争いがなかったことについて危惧している部分はあるようです。
政治史を振り返りながら菅さんの活動歴に触れていく形式になっていくので、どうしても菅さんの周辺のエピソードが紹介されていて政治に対する知識がある方には物足りない感じはすると思いますが、若い世代にはいいんじゃないかと感じます。