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地方在住の読書好きで主に通勤電車内で読書をしております読んだ本の内容を整理するためにブログを開設いたしました。 新書を中心に気になるテーマの書籍を読みながら読書Lifeを過ごせたらと思います。

大月書店の「人文・社会科学系大学院生のキャリアを切り拓く」を読了しました。

1990年代から大学院教育に重点が置かれるようになっていき大学院生の人数が増加していったようです。

それまでは大学院修了後は大学教員になることが一般的だったと思いますが、大学院生が増加することにより院生のキャリア形成の支援を行う必要が発生しました。

 

今回読んだ大月書店から出版された「人文・社会科学系大学院生のキャリアを切り拓く」では文系の大学院生のキャリア形成について社会科学系最高峰でもある一橋大学大学院の取り組みについて紹介されています。

 

理系ですと学部卒業後にストレートで大学院に進学してメーカー等の民間企業や大学教員といったアカデミックな職種など進路は多岐に渡って選択肢があると思いますが、文系の場合、一度社会人を経験してから社会人枠で大学院に入学するケースはよく聞きますが学部卒業後にストレートに大学院に入学するケースはあまり聞いたことがないので、文系大学院生の実態やキャリア形成について非常に興味がありましたので、読んでみたわけです。

 

まずは博士課程を修了して大学教員として学術分野で活動を目指す学生への支援について紹介がされており、そのあとに民間企業への就労を目指す修士課程の学生の支援の取り組みについて紹介がされています。

個人的には民間企業に就労する学生に対する取り組みの紹介が一番気になっていましたし、この書籍を購入した最もな理由です。

OB、OGの実際の事例を紹介しながら専攻内容や修了後の就職先や就職活動の注意点や大学院での研究活動と就職活動の両立の仕方などが紹介されています。

 

イメージとして勝手な偏見ですけど、文系の大学院生は民間企業への就職が難しい印象がありました。

民間企業もあまり文系の大学院生を積極的に採用しているイメージがありませんでしたが、そもそも文系の大学院生の人数自体が少数でしょうから難しいとか、どうとかは言えないでしょう。

研究活動と就職活動の両立関して事細かくアドバイスがされていたりエントリーシートの作成の仕方など具体的に説明されていたので、現役の大学院生は参考になると思います。

 

また外国人留学生が日本の大学院を修了後に日系企業に就労する際の注意点なども紹介されています。

 

就職とは関係ありませんが、日本の研究者の論文が海外の研究者の論文に引用されていないことが多くその理由は英文で論文の執筆が行われていないということがよく言われています。

 

従って英文での論文執筆の重要性についても強調されていました。

せっかく、いい論文が完成しても世界から評価されないのは勿体無いですから。

 

文系大学院生のキャリア形成について紹介されていて現役の大学院生にはとても参考になると思いますし、研究活動の指南もされているので就職活動の部分だけではなくそれ以外の大学院での生活全般に対しても参考になると思います。

 

また大学院生の実態など私にとっては未知の世界の話だったので、そうした研究の世界について知ることの助けになる書籍だと思います。

 

 

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