新型コロナウイルスが猛威を振るうなか自宅で過ごす時間が増えるのと同時に、自宅での読書の時間も増えてきている今日この頃。
そんな時に昨年の年末に書店で購入した本を読み終えました。
中公新書の「科学技術の現代史」というタイトルの書籍で、科学技術庁に勤めていた著者が科学技術の先進国である米国の実情を中心に、第二次世界大戦後の原子力、バイオテクノロジー、インターネットを始めとしたICT分野や最近話題になっている人工知能(AI)などの各分野の歴史にスポットをあてて、紹介されています。
著者が科学技術庁に勤めておられた関係か科学技術と政治の関係性について紹介されていたところが、印象に残っています。
国際会議なので議論されている温室効果ガス削減目標の設定数値には政治的圧力のような力が働いていたなど。
また研究者が国から受け取る予算の確保難しさなども強調されています。
インターネットの技術は本来の目的としては軍事目的で開発されていた技術という話は有名です。
そうした軍から民間に転用された技術の紹介も科学技術分野の歴史振り返る上では非常に興味深い話です。
最近話題になっている人工知能(AI)の歴史も深く、1950年代と今から60年以上前から研究が行われていたという事はあまり公にはされていないと思います。
そうした話も非常に興味深かったです。
科学技術の歴史について紹介された書籍ではありますが、科学技術に関するリスク分析についても紹介されていました。
記憶に新しい話では、東日本大震災の際の東京電力福島第一原子力発電所の事故でしょう。
他に原発の事後というと、チェルノブイリで発生した原発事故も記憶に残っているでしょう。
過去の科学技術の教訓にすべく事例を紹介しながら、どのようにリスクと向き合うべきかといったことも説かれています。
科学技術の分野に特化して第二次世界大戦後の歴史について紹介し尚且つ、今後の科学技術のあり方についても著者の見解が紹介されています。
科学技術というと小難しい感じがしますが、今話題になっているサイエンステクノロジーも随分と昔から研究がされていたりと、あまり公にされていない新たな発見ができていい勉強になると思います。
科学技術分野について興味を持ったり考えたりするきっかけになると思います。