人生100年時代といわれる昨今、これまでのライフスタイルを見直す動きが出始めています。
またそれと同時に単身生活者の比率も上昇していきます。
今回読んだPHP新書の超ソロ社会「独身大国・日本」の衝撃には、これからの時代に一人一人がどのような心構えを持ち過ごしていけば良いのかが説かれています。
人生100年時代といわれ全ての人が長生きする訳ではありませんが、医療技術の向上など様々要因によって平均寿命が年々上昇し続けています。
そうしたなかで一度結婚したからといって、一生涯家族のいる人生が保証される訳ではない時代になりました。
最近はお一人様ブームやソロ充などといった言葉をよく聞くようになり、一人で活動をすることをポジティブに解釈されるようになってきています。
著者が広告代理店に勤めていらっしゃるので単身生活者とマーケティングについての紹介は面白いなと個人的に感じました。
単身生活者が市場に与える影響は非常に大きいのでこれから先の時代、独身者にもスポットをあてながら市場分析を行う必要がある、無視できない存在になっています。
また日本社会のこれまでの家族観について歴史を遡って紹介されており江戸時代の末期から明治初期の時代にかけての結婚事情は意外でした。
あまり法整備が行われていなかった関係で、かなり緩く簡単に離縁してしまう傾向があったということには驚きました。
長らく続いてきた家庭を持って一人前という価値観は昭和の高度経済成長の時代からの考えといことになります。
また結婚対する捉え方についての世界に於ける統計データもあり、やはり日本は家庭を持つべきという考えが海外よりも多くなる傾向にあります。
性別による出生率にも男女が均等に誕生する訳ではないので高度経済成長期にあった皆婚というのは実際はありえません。
生涯独身というと一見ネガティブな印象を受けますが、決してそうではなく勤め先や家庭といった場だけのコミニティだけではなく様々な所でコミニティのネットワークを張っている方が多いようです。
むしろ独身が故に幅広い人脈を構築できる方が多いのかもしれません。
また著者もたった一人で生きていかなくてはならないと主張してるわけでもなく人脈を増やし自分の参加するコミュニティを増やさなければならないと主張されています。
これか先の時代これまでと同じような家族観も残りつつもまた新しい家族の形やライフスタイルが作り上げられるようになるでしょう。
人工減少、生涯未婚率の上昇はもはや食い止めることができないことが事実となっているなかで嘆くだけではなく、そうした時代に適応出来る形を考えていかなくてはなりません。
その参考になる書籍だと感じます。