先日、平成に代わる新元号「令和」が発表され新しい時代の幕開けを実感する今日この頃。
平成の終盤に読むのに相応しい本を私は読ませていただきました。
ちくま新書の「平成デモクラシー史」である、著者は日本経済新聞社に勤務する記者。
日経新聞の記者が執筆した書籍なんですが、今回書籍のテーマになっているのは経済の話ではなく政治の話です。
著者は平成初期から派閥の取材を皮切りに平成の30年間政治の最前線を見てきた著者ならではの視点で日頃の報道だけでは知ることのできない政局の裏側を詳細に紹介しています。
平成の30年間は消費税の導入や省庁再編構想、選挙制度改革、郵政民営化法案、政権交代等の様々な政治変革が起こりました。
そうした変革があるなかで当然のことではあるがその裏側で様々な人間ドラマが巻き起こる訳です。
それらの事柄を詳細かつ時系列的に紹介されています。
こうした政治に関する書籍というと著者の色濃い見解や思想などが前面に強調されるイメージがありますが、個人的にはそうした印象を受けることはありませんでした。
新書ですが、かなり分厚くページ数も多くそれだけ平成の時代の政治は色濃かったことが窺えます。
おそらく著者ご自身も一冊だけで平成時代の政治、政局について紹介するには足りなかったのではないかと感じます。
平成の30年間の政治について記者独自のジャーナリズムの観点とアカデミックな要素を織り交ぜながらこれまでの政治史を振り返り、これからはじまる新時代の令和はどのような政治が行われどのような社会になるのか気になるところです。