何かを調べなくてはならない事は必ず起こります。
最近ではスマートフォン等もあり気軽にインターネットで検索して調べることが出来るようになりました。
大変便利で重宝するのですが、調べる手段をインターネットだけに絞るとバイアスが生じてしまうリスクがあります。
今回読了した、岩波新書の「実践自分で調べる技術」では調べる事、或いは調査についてどのような手段を使って行ったら良いのかということが指南されています。
著者はお二方共にアカデミックの世界でご活躍されているかたなので日頃から調査など調べることをライフワークにされている方々ですので様々な調査手段が紹介されています。
ICT技術が進んだ現代ですがそれでも文献等を使った調査は有効で、図書館の利用の仕方が前半部分で紹介されています。
図書館と一括りにしてもそれぞれ特性があり、その特性に合った活用の仕方などが紹介されています。
国立国会図書館や東京都立中央図書館といった都市部にある図書館を中心に紹介されていますが、概ね図書館の利用の仕方などは把握することが出来るのではないでしょうか。
また論文を使った調査方法も紹介されていて、論文というと一般人には馴染みが薄く感じられると思いますが、サーチエンジンの運営会社
が論文検索サイトを運営していたりと一般人でも極力負担が少なく安易に論文を閲覧できるメソッドが紹介されています。
調査というと統計データを収集することも重要な役割だと思いますが行政機関などが数多くの統計データを発表していることもありそういったことも熟知すると調査技術の精度も向上していくと思われます。
公的なデータを参考にすることも意義は大きいのですが、独自で統計をとることも大切で環境汚染を例に取りながら科学を用いながらの調査方法も指南されています。
後半部分はその調べた結果をどのようにしてまとめて発表するのかといったアウトプットの方法が紹介されていて調べることの一連の流れについて平易に紹介されています。
何かを調べることは学生でも社会人になってからもいつでも行わなければならない場面に遭遇すると思いますが、そんな時に一つの手段に捉われずに複数の方法で物事を調べることが出来ると一つの事柄について複数の捉え方ができ調査のクオリティを上げることが出来ると感じました。