2015年に日本経済新聞社がイギリスの大手経済紙FT(financial times)を買収すると発表されました。
著者も最初はFTが日経新聞を買収するのではないかと思われたようで、私自身も著者と同じように感じていました。
FTはイギリスを代表する経済紙でピンク色の紙面が特徴で、米国ではWSJ(ウォール・ストリートジャーナル)に匹敵する経済紙です。
米国には他にブルームバーグがありますがこちらは経済金融情報を報道する通信社です。
このFTを買収することによる日本のメディア対する影響はなんなのかということを考えるきっかけになる書籍ですが、2015年の出版ですので少々古いと思います。
この書籍の内容は主にFTの歴史や日経新聞の歴史を紐解きながらイギリスのメディア事情と日本のメディア事情について比較することが主なポイントになると思います。
スマホやタブレットを使いインターネットでニュースをチェックすることが主流になるなかでオールドメディアと呼ばれる新聞社や放送局がどのように読者や視聴者にニュースを提供できるのかということを2015年時点の欧州や日本の動きが紹介されています。
買収事案が突如出た話なので著者ご自身が日経とFTに対する取材が出来なかったこともあり、奥深く双方の考えについて触れることが出来なかったこともあるようですが、FTは実のところイギリス国内より海外に読者が多いということはこの本を読まなければ知らなかったことだと思います。
イギリスのジャーナリズムや報道体制について紹介されているので、イギリスの報道文化と日本との比較をすることができるのでそういった意味では面白い書籍なのかなと思います。