経済学系の書籍は何度か読んだことがあるのですが、政治学に関する書籍は読んだことがなかったので、今回初めて読んでみました。
政治学をテーマにした書籍は数多く存在するなかで、今回読んだ作品は成蹊大学の法学部の教授陣が執筆した書籍です。
成蹊大学法学部というと言わずと知れたあの方が卒業された大学です。
行政学や国際政治学や欧州、中国の政治の歴史など幅広い分野を網羅して紹介されているのが特徴です。
政治思想に関するところは個人的には難読な感じがしましたが、議員内閣制や大統領制の違いや仕組みを一から解説されていたり、福祉制度など生活に身近な話もあるので、初学者からすると非常に勉強になる部分もあります。
日本国内の政治制度だけではなく中国やドイツ、アメリカなど海外の政治制度の仕組みが紹介されているところが特徴だと思います。
国によって事情が違うというところもあると思いますが、海外の行政制度を比較することにより日本の行政制度の問題点が見えてくるのではないかと感じます。
例えば日本の公務員は多いから削減した方が良いという意見をよく聞きますが、日本の場合NPO法人やボランティアなどにより行政サービスが維持されているという現状を把握することができました。
外国の事情と比較することにより新しい発見ができる訳です。
政治の歴史を把握した後に現在の世界の政治状況の特徴なども紹介されているので、タイトル通り教養として身につけることができる話が多いです。
SNSといったツールが登場して選挙戦略や有権者の政治との関わり方が変化したりと、時代流れは、政治の世界にも反映せれているものだとこの本を読んで感じました。
新書の割には分量が多く幅広く政治学の分野を解説されているので、政治学という学問に少しでも興味があれば読んでみる価値はあると思います。