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地方在住の読書好きで主に通勤電車内で読書をしております読んだ本の内容を整理するためにブログを開設いたしました。 新書を中心に気になるテーマの書籍を読みながら読書Lifeを過ごせたらと思います。

到知出版社の「JALの奇跡」日本航空元会長補佐大田嘉仁氏著を読了しました。

今年2020年は新型コロナウイルス感染症が世界中で流行した一年でした。

新しい年に変わったからといってその脅威から逃れることは出来ないと思いますが、今年は多くの方が苦労された一年だった思います。

 

日々新聞の経済面やニュース報道を見ていると、この新型コロナウイルスの影響を受けて業績が前年比で大幅減少といった記事をよく読みました。

様々な業種で影響があったと思いますが、その中でも航空業界の受けた打撃は大きかったと思います。

連日のように航空業界の打開策や支援の動きが紙面に掲載されていました。

 

今回読んだ「JALの奇跡」は昔、日本航空が一時経営破綻し、そこから経営を改善し再上場を果たした訳ですがその際の再建話について紹介された書籍です。

 

JALが危機的状況に見舞われるなか京セラ創業者である、稲盛和夫さんが会長に就任しご自身の経営哲学に基づいて巨大企業を再編させていく話なのでビジネスノウハウ本のような印象を受けます。

 

著者は長年稲盛和夫さんの側近として活躍された大田嘉仁さんが執筆されています。

冒頭稲盛さんの人物像を紹介してご自身の経営哲学を紹介してから、本題となるJALの経営再建の話になります。

 

 

日本航空というと昔からなんとなく官僚的なお堅いイメージがありましたが、この本にも日航の社風が紹介されていて役所のような前例踏襲といった、民間企業とはかけ離れた社風だったようです。

半官半民の国策事業で設立された企業なので、長年そうした社風が定着してしまったようです。

この企業体質の話はとても面白っかたです。

 

そして驚いたことに日航の役員や社員もそのことに対する問題点は理解していて、なんとかしなければならないと思っていたようです。

なので最初外部から来た役員に抵抗感があったJALの役員や社員も自分達が気づいていた問題点を外部の人から指摘されても意外と反論することもなく、素直に受け入れてもらえたようです。

その素直さがあったから迅速に経営を再建出来た要因の一つでもあります。

 

JALフィロソフィーというJAL再建の為に作られた稲盛さんの経営哲学を全社員に指南して心を入れ替えて努力することで予想もつかないほど業績が向上して再上場を果たすまでに回復していきました。

 

さすがに哲学で社員の心を入れ替えただけでは、業績を回復させるほど企業経営は簡単ではないと思います。

経費の削減や外部からの支援など様々な努力によって業績を回復できたのだと思います。

 

ただその努力の後押しになったのは言うまでもなく稲盛さんの経営哲学が要因なのだと思います。

 

稲盛さんの考えのなかで一番印象に残っているのは、業績が回復した時に浮かれずに回復した時だからこそより謙虚に懸命に経営を行なっていくことが大事だという考えです。

これがなかなか難しいことなんですが一番大事なことなのだと思います。

 

 

今年2020年は航空業界にとって大変苦しい一年だったと思います。

来年のことは分かりませんが、一度苦労した経験が日航にはあると思いますのでこの局面を乗り切ってほしいと思っています。

またいつの日か飛行機を利用して長距離移動ができる日が戻ってくることを願っています。

 

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