総合商社というと一般の消費者からするとあまり馴染みがない企業だと思いますので、なかなか事業内容を把握することが難しいと思います。
何冊か総合商社に関する書籍は読んだことがありますが、今回読んだ本は丸紅一社にスポットを当てて紹介された作品です。
一社に焦点を当てて執筆されている書籍はなかなかないのでタイトルに惹かれて購入してしまいました。
丸紅の創業者は近江商人の伊藤忠兵衛で元は伊藤忠商事と同じ企業で後に分離して丸紅と伊藤忠商事と現在の形になっています。
丸紅の歴史や事業の特徴や部門の紹介や当時の社長のインタビューそれと現役の従業員のインタビューが紹介されています。
この本は2008年出版でもう10年以上前なので購入する際は某オンラインショッピングで中古本として購入してますので、現在の丸紅に実情と多少違いがあるかもしれませんが、丸紅の歴史の章は参考になると思います。
以前読んだ総合商社に関する書籍に総合商社というと資源ビジネスといった貿易のトレーディング事業を主体ビジネスとしているイメージがあるというのが通説だと思われていますが、資源価格の下落などにより近年は事業投資など昔とはまた違ったビジネスモデルを開拓しているため世間のイメージとはまた違った実情があるのかもしれませんが、業界を知る上では過去のビジネス形態を把握することは重要かもしれません。
商社に限ったことではありませんが、企業の長い歴史の中に好調な時と不調な時が必ずあります。
先程も述べましたが、資源価格の下落といったことがあり商社冬の時代と言われた時期もありました。
そんな中、丸紅は主力事業としてきた繊維部門の業績の低迷といった難局を迎え主力事業の縮小を余儀なくされますが、葛藤していくなかでどのようにして乗り越えていったのかといったストーリーも紹介されていて読み応えがあると思います。
出版から10年以上経過して丸紅や総合商社の様相は変化してきていると思いますが、商社を理解する一助になると思います。