秋が深まり何を行うにも最適な季節がやってきました。
そこで今回読ませていただいたのは、講談社現代新書の「正しい本の読み方」です。
社会学者の橋爪大三郎さんが読書をテーマに執筆されている作品はこの読書の秋の季節にぴったりではないかと思います。
幅広い世代にスマートフォンが普及しインターネット上の情報はいつでも安易に得ることが出来る時代になりました。
そんな情報、多様化時代になり活字離れや読書をしない人が増えていると言われるようになってきました。
情報を得るということは日常生活に於いて、非常に大事なことです。
しかし情報だけ得ていても得られないものも多々あります。
今回読ませていただいた橋爪先生の本には、情報だけでは補えないことについて紹介されています。
前半部分では人間と本の関係性について触れられているので、哲学的な要素が強い印象を受けます。
経済学など様々な学問分野の名著をピックアップしながら本の読み方をレクチャーしています。
名著といわれている本は難しいですからね。
著者が教授職に就いている関係からか教育についても言及されていたり学習方法についても紹介されています。
また自然科学や人文科学や社会科学のそれぞれの学問の存在意義について触れられていることは学者ならではかなと感じます。
橋爪さんの読書と教養を身につけることに対する熱意を感じました。
この本を読んで灘中学 高等学校の橋本武教諭の話を思い出しました。
生徒に対し国語の授業で3年間「銀の匙」という文庫本を読み通すことを行ないました。
一見すると何の意味があるかわかりませんが、生徒が様々ことに関心を持ち物理の本を図書室で借りる生徒が現れました。
その結果、全体の成績が上がり有名大学への進学率が上昇していきました。
活字には情報だけにはない知的好奇心を向上させる効果があるのだと思います。
電子書籍でもいいから本を読み著者とじっくりと向き合い物事を考え、世の中には様々な価値観があると感じる寛容性を身につけ、そしていつの時代でも通用する教養を身につけることが出来るのは、やはり本なのでしょう。
私はこれからも読書は続けていきたいと思います。