以前週刊ダイヤモンドのWebサイトで大東建託の社風や企業体質について紹介された記事を読んだことがあり同時代社出版の三宅勝久氏の著書「大東建託の内幕」に興味を持ち購入しました。
大東建託は、いい部屋ネットでお馴染みのコマーシャルでご存知の方も多いと思うアパート建設大手の企業です。
多数のタレントを起用した雰囲気のいいコマーシャルでアパート建設と関わりのない方でも印象に残ると思いますが、その裏側では想像もつかないほど劣悪な環境で東証一部上場企業とは思えない企業体質、営業戦略で経営されている実情が元社員や現役社員など関係者への取材で紹介されています。
数字だけを上げるために強引な手法でオーナーに対して契約を行なったり架空の契約を行なったりと様々な不正が行われていることが紹介されています。
読んでいて不正を行なってもいいからとにかく成績を上げろというような不正を黙認する企業体質があるのではないかと感じてしまいます。
表面上の業績はよく見えても蓋を開けてみれば会社にとっては何の利益にはなっていないはずです。
確実に契約を取るために社員が工事費用の肩代わりを行うという常識では考えられないことも頻繁に行われているといことに驚きを隠せません。
管理職を対象にした行き過ぎた社員教育を行なったり、過剰なノルマを社員に対して要求するなど社員を追い込んで叩き上げる軍隊式の方法で企業を成長させようとした結果、不正や犯罪に手を染めてしまう社員が増える訳です。
近年の人口減少時代になり従来通りの量重視の経営戦略では太刀打ちできない時代になってきている昨今、かなり難しいことだと思いますが、そういう時に経営方針を時代に合わせて形で変えられるかが、経営者の手腕のみせどころだと思います。
東証1部上場企業がこれだけの問題があるのに世間に表沙汰にならないのが不思議でなりませんでした。
やはり大手メディアとのスポンサー契約をしている為か、なかなメディアが報じないという実態があるのでしょう。
これは大東建託だけではなく他の企業でもある様々な問題が闇に葬られているのだろうと感じます。
メディアが報じ表沙汰になる出来事はほんのごく一部の話なのかもしれません。