社会と申しますととても広い意味で解釈することがあります。
類似語に世間や世の中という言葉もあります。
その広い意味で捉えられている社会を研究対象にした社会学について紹介された本を読んでみました。
著者は社会学者で多くの人から社会学とはなんですかという質問を受けるようですがしっくりくる答えがなかなか見つからないようです。
社会というと漠然としていて何をターゲットに研究している分野なのか分かりにくい学問だと思います。
社会科学系の学問というと法学や経済学など社会の中の何について研究しているのかという事が比較的イメージしやすい学問もありますが社会学はそれが中々イメージしにくいのだと思います。
言ってしまえば化学や物理学といった自然科学も社会で起きている出来事を研究しているわけですからそう考えると社会という言葉は漠然としすぎて掴みどころがないようにも感じます。
そんな社会学について社会学者が、長年培った研究生活を踏まえて社会学とはなんなのか世間とは何なのかという答えのない領域の話を綴った本です。
エッセイ風な形式で書かれている印象を受けました。
著者曰く社会学は難しく考える必要がなく、専門用語を羅列する必要もないとの主張されています。
社会というと広く解釈しがちですが、自分自身の日常そのものが社会なのであり社会学というふうに主張されていました。
この本は社会学の歴史や学説や理論について紹介されているわけではありません。
著者ご自身も理屈や小難しく解説することに対してネガティブな考えをお持ちのようです。
読んでいると学問を扱っている印象は受けることはなく、著者の視点で社会の出来事を平易に記されています。