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地方在住の読書好きで主に通勤電車内で読書をしております読んだ本の内容を整理するためにブログを開設いたしました。 新書を中心に気になるテーマの書籍を読みながら読書Lifeを過ごせたらと思います。

中公新書の「財務省と政治」 最強官庁の虚像と実像を読ませていただきました。

森友学園問題で話題になった中央省庁の一つである財務省、国家予算握る省ということもあり特殊な役所だと思います。

 

 

その為、時の政権との関わり方によって政局に対する影響は計り知れません。

 

そんな財務省を、長年日本経済新聞社で取材をしてきた著者が財務省と政治の関係性について紹介した書籍を今回は読ませていただきました。

 

主に消費税が導入された平成初期の時代から現在の第三次安倍内閣までの期間の旧大蔵省から省庁再編後の財務省との政権の関わりについて念密に執筆されています。

 

取材だけでここまで紹介出来るとは思わないほどの詳細さに驚きました。

 

話のポイントとなるところはやはり消費税率を引き上げるか否や、財務省と政権との駆け引きがドラマチックで濃厚です。

 

財務省からすると消費税は安定財源になると見ているので出来る限り引き上げたい一方で、政権側は消費税増税には消極的であり増税を行うならば経済対策や歳出削減を行い国民所得を引き上げてから消費税を増税したい考えがあります。

 

消費税は全国民に関わることなので政権与党の立場からは国政選挙にも影響されやすいので慎重にならざる得ない事情もあるのでしょう。

 

この作品は著者自身の個人的な見解がなく時系列で淡々と財務省と政治との関わり方が紹介されている事も特徴の一つだと思います。

 

従って過度に役人や政治家を肯定したり批判するようなこともなく過激な表現も無いので読みやすいと思います。

 

また国家予算を握る省庁でもある財務省なので各政権での目玉政策とも直にコミットメントしているので、その政策を実現するまでの裏側の財務省と政治の駆け引きは一般に報道がない話なので当時を振り返りながら読んでみると面白いと思います。

 

また昔の政治について知らない方でも歴史の勉強にもなるのでオススメです。

 

 

 

 

 

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