東京の街は様々な顔を持っているので、とても魅力的に感じます。
古い物や文化が残っている反面で革新的な新しい文化が混在していていつ訪れても飽きがこない場所だと感じます。
今回読了した、晶文社出版の「書を置いて、街へ出よう」では、かつて資生堂で広告デザインをされていて、デザイナーとして活躍される傍ら居酒屋探訪家として全国の居酒屋を渡り歩き、その地域の地酒である日本酒の魅力を発信されている、太田和彦さんが東京の街の魅力を記した作品です。
2023年に75歳の喜寿を迎えられた太田さんがこの世に未練を残さぬよう街をしっかりと見ておこうという思いを大事にされているそうです。
そんな太田さんの視点で東京の街の魅了を知ることができたのはとても面白いことです。
日本酒の専門家である太田さんなのでやはり東京の居酒屋の紹介もされている一方で歌舞伎などの舞台や皇居散策、クラシック音楽を堪能されたりと多趣味一面もおありで、羨ましい老後を送られているなと感じます。
またお一人で楽しまれているのが「いいな〜」と思ってしまいます。
シティボーイならぬシティ爺さん自称する太田さん以外にもマンション暮らしというのには驚きました。
太田さんでしたら世田谷区の一軒家で暮らされていそうなイメージがありましたがね。
いい感じで裏切られた感じがしていいですね。(こちらの勝手な印象ですから)
歌舞伎鑑賞や骨董市巡りといった古風な趣向がある一方で代官山の蔦屋書店といった若い世代が多くいそうな所へも行かれていて視野が広いなと感じます。
太田さんはBS11で放送されている番組で全国各地の居酒屋やその地域の魅力を紹介している番組をされていて、私はたまたま地方放送局で再放送された番組を視聴して太田さんの存在を知り本書を読んでみたいと思い読んでみました。
番組同様、太田さん独自の視点で街の魅力を紹介されていてより一層東京の街に対する興味や関心が深まり今度上京する機会があったらじっくりと街を散策してみたいと思いました。
私はお酒が好きなので、この本にも紹介があった資生堂ビルにあるBARにでも行ってみたいなと感じます。
街を見る視点が変えてくれる作品だと思います。