数年前に大手広告代理店の電通で過労死問題が報じられて、世間からの広告業界に対する注目が集まりました。
広告業界については全然知らなかったので少し興味がありました。
そこで今回読んだ星海社新書の「電通と博報堂は何をしているのか」をオンラインショッピングで発見して購入してみました。
著者は大手広告代理店の博報堂に勤務経験のある方で、現在はフリーランスとして活躍されています。
現役の電通と博報堂の社員のインタビューを交えながら電通と博報堂の社風や広告業界の特徴を紹介しています。
広告業界というと長時間労働やノリがいいそして体育会のイメージが漠然とありました。
読んでいるとイメージに当てはまる部分もあり、なぜ長時間労働になってしまうのかといった原因が説明されています。
長年の慣習のようなところもあり、なかなか改善できない部分もあるのでしょうけど電通の件があり徐々に変化してきている話はよく報道されているのを見かけます。
印象に残っている話では、広告代理店の営業マンはとにかくクライアントの所に行く時は必ず大人数で行くことにこだわりを持っているようで、打ち合わせやイベントの時には多くの広告代理店関係者がやってくるようですが、クライアントはそうしたことは求めていないようです。
新商品の記者発表の会場には広告代理店の関係者だけではなく、他社の広告代理店の関係者までやってくるというほんとなんだか嘘なんだかわからないようなエピソードがあるようです。
大勢でクライアントのところに行くことによって忠誠心を表しているようですが、そうしたところが世間との認識のズレがあるのだと感じます。
また東京五輪のエンブレム騒動についても紹介されています。
広告代理店にはデザイナーも所属しているので、エンブレム騒動の話の中でデザイナーの世界についても触れられています。
現役の電通や博報堂の社員のインタビューを交えながら著者の博報堂での勤務経験を中心に話が展開されている形になっています。
あまり小難しい話はないので広告業界の入門書のような印象を受けました。
なかなか広告業界について触れることがなかったのでいい機会になりました。