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地方在住の読書好きで主に通勤電車内で読書をしております読んだ本の内容を整理するためにブログを開設いたしました。 新書を中心に気になるテーマの書籍を読みながら読書Lifeを過ごせたらと思います。

岩波新書の「経済数学入門の入門」を読ませていただきました。

昔、経済学に興味があり調べていた時に文系なのに高等数学が多用されることを知り少し数学についても興味を抱きました。

 

とはいっても私自身数学や計算をすることが苦手で暗算も得意ではありません。(笑)

 

よくよく考えてみれば経済学のイメージは、ざっくり申し上げるとお金の流れを分析する学問なので文系と言えども高等数学を応用しながら分析することが当たり前なのだと思います。

 

そこで経済学と数学の関係性について興味がありましたので、書店でたまたま見かけた岩波新書の「経済数学の入門の入門」を購入させていただき読ませていただきました。

 

著者は早稲田大学政治経済学術院准教授の田中久稔氏です。

計量経済学 理論経済学の専門家です。

 

経済学で使われる数学の説明とそれがどのようにして人々の経済活動に反映されるのかを分かりやすく解説されています。

 

経済学は自然科学と違い人々の暮らしを分析する学問であり経済現象を高等数学を用いて数値化されてからそれを実生活の場面に置き換えて誰にでも分かるように説明しなければならないという経済学上のポリシーがあるようで、この「経済数学入門の入門」のなかでも初心者向けということもあると思いますが、非常にわかりやすかったです。

また経済学の研究が行われるようになった当初は経済学に数学を多用することをあまり好まれていなかったようですが、そこにクールノーやレオンワルラスサミュエルソンといった経済数学の礎を築いた人物の紹介や経済数学の歴史も紹介もされています。

 

なるべくガチガチの数学だらけにならないように解説がされておりますが、数学に自信のある方向けにもしっかりと経済現象を数学で証明された数式がコラム形式で紹介されております。

 

また経済学はデータを分析する学問という性質もあることからコンピューターを活用した解析も行われておりプログラミングの知識も必要になるようです。

 

最後の章で経済学を本格的に学ぶ方向けに経済数学や高等数学、プログラミングを取り扱った書籍の紹介がされております。

 

とても参考になると思います。

著者は大変ユニークな方なのでユーモラスを交えながら話を進めておられるので硬派な印象のある経済学そして数学の本ではありますが、最後まで面白くそして理解しやすく入門書として楽しめるのではないかと感じます。

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