米国の大統領、トランプ氏が連呼していたフェイクニュースというWordが話題になりました。
オックスフォード大学出版局は、2016年の言葉に「POST-TRUTH(ポスト真実)」を選びました。
近年新聞やテレビといった既存メディアに加えてネットメディアが急速に普及し情報収集手段が多様になりました。
ネットメディアが普及する前はジャーナリズムで必要な訓練をきちっと受けてきたプロのジャーナリストが情報発信をしてきましたが、ネットメディアが普及して一般人も気軽に情報発信が行えるようになり多様な情報、多様な意見が世に飛び交うようになりました。
メディアが多様化するが故に一つの事柄に対する情報が膨大になっていると同時にそれに対する意見も同時に多様化し何を信じて良いかわからなくなってきていると感じます。
発信者が増加することにより当然ながらバイアスのある意見が増えます。
そうした意見や情報を閲覧するとそうした意見が正しいように錯覚してしまいます。
非常に恐ろしいことです。
今回読ませていただいた(「ポスト真実」時代のネットニュースの読み方)では日本経済新聞社に勤務されていた著者が既存メディアやネットメディアそれぞれの特徴をわかりやすく丁寧に解説されています。
一般人が安易に情報発信をできるようになった訳ですから一般人がジャーナリズム論を学びメディアリテラシー(読み書きの能力)を向上させる必要があると著者は主張されています。
現代社会では情報を一方的に受け取るだけではなく情報を発信する側にもなるので適切な情報発信力も向上する必要があると思います。
情報発信するからには勿論情報を受け取る情報分析力も大事です。
人間は自分の都合のいい情報を信じて逆に都合の悪い情報を信用せず一方的に批判する心理が働きやすいと思います。
そうした情報を見て流されてしまいやすい傾向があるのも人間の心理だと思います。
冷静に一歩引いた視点で情報を受け取ることが大事だと今回痛感致しました。
しかし、それはなかなか困難なことですがこの作品ではそうした情報リテラシーを向上させるのに必要な情報が紹介されています。
私はまだ新聞や本を読む際は紙で読むのが好きなのですが今後は、徐々に紙媒体を主体にしていたメディアも電子化されより一層ネットメディアの機能が強化されていくことでしょう。
今後のメディアのあり方や変化など著者の見解が紹介されていてメディア活用のよい参考本になるのではないでしょうか。
大変説得力のある説明でオススメです。