ここ最近森友学園 加計学園の問題で中央省庁に勤めるキャリア官僚が世間からクローズアップされています。
少し前までは国家公務員一種試験合格者をキャリア組、国家公務員試験二種試験合格者をノンキャリアなどと表されていましたが、今現在は国家公務員総合職と国家公務員一般職や専門職など呼称が変更されました。
今回読ませていただいた中野雅至氏の著書の「キャリア官僚の仕事力」秀才たちの知られざる実態と思考法 ソフトバンク新書の書籍では国家公務員総合職について紹介されていました。
中野さんご自身も国家公務員総合職の職員として厚生労働省にお勤めになられていたので、その経験を踏まえて官僚の仕事内容や役割や仕事の処理の仕方が紹介されています。
官僚というと東京大学法学部出身者が多いイメージですが著者の中野さんは同志社大学文学部英文学科出身で地元の奈良県大和郡山市の市役所勤務を経て労働省(現厚生労働省)に入省された異色の経歴の持ち主です。
実際に中央省庁にお勤めになられた経験がある著者が執筆されているので日頃のマスコミ報道による官僚批判の視点とは異なった見方ができます。
国家公務員総合職試験の概要や官僚の1日のタイムテーブルや官僚はどんな性格の人が多いのかといった人物像や予算委員会での議員からの質問に大臣が答える答弁書を作成する際の苦労話や法案、政策の作成プロセスの紹介があります。
官僚の仕事で重要なのは法案作りで法案を作成する際の文章作成や国会議員などのに行うレク(レクチャーの略)を行う際に必要となる能力がビジネスパーソンにも役立つといことで紹介されています。
官僚の仕事を知るという観点と優秀な官僚の仕事術を学んで自分自身の仕事力を向上させる自己啓発の目的の両面で読むことが出来る作品です。
上場企業のサラリーマンよりも給与が多少低いうえに過酷な長時間労働で、体調を崩してしまい亡くなられる職員もいらっしゃる事もある職場で日夜お勤めになられているのを知ると頭が下がります。
また冒頭でも触れたように今現在中央省庁における公文書の管理の問題などマスメディアや世間から批判される事案も多くなっておりますので中央省庁の今後を注視していきたい。