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地方在住の読書好きで主に通勤電車内で読書をしております読んだ本の内容を整理するためにブログを開設いたしました。 新書を中心に気になるテーマの書籍を読みながら読書Lifeを過ごせたらと思います。

中公新書 入門 公共政策学を読ませて頂きました。

日頃の報道で政策や法案についての話をよく聞くがその政策がどのように提案されてどのようにして実施されているのか、いまいち詳細に関してはよく分からない事が多いと感じる。

 

 

社会の課題を解決する方法を行政レベルで考えていくのが政策だ。

その政策を学問としてアプローチするのが公共政策学である。

この公共政策学は政治学、経済学、行政学、といった既存の社会科学では対応できないそういった意識から戦後発展していった学問である。

 

 

その公共政策学について初心者でも分かりやすく解説された新書が中公新書の「入門 公共政策学」だ。

 

 

まず公共とは何かといったところから紹介され少子高齢化シャッター商店街生活保護学力低下などの政策のモデルケースで政策を実施するプロセスが紹介されているので複雑なイメージの政策の話だが、すんなりと理解しやすい感じである。

日頃のニュースでよく耳にする政府主催の有識者委員会や議員連盟といった用語の解説なども詳しくされている。

 

 

第1章では、公共政策学とは何か、政策科学の誕生、公共政策学の展開、公共政策学の特徴といった基本的な話がある。

 

第2章では、問題がいかに発見され、定義されるのか 

             問題への注目や、問題構造の分析などの話

      

 

第3章では、設計、解決案を考える 

社会状況、問題解決の手段、費用便益分析 (プロジェクト、 政策の妥当性の把握)

法案の設計についての説明、(法案で大まかにルールを決め具体的な話は政策で決めていく。)

 

 第4章では、決定  官僚と政治家の動き

専門家 業界の意見聴取 検討会の展開

市民の意見聴取  公聴会 パブリックコメント (これが所謂有識者委員会になる部分。)

官邸との調整 規制改革会議

与党、政治家との調整 自民党政務調査会部会と議員連盟

国会審議についての話。

 

 

第5章では、実施  霞ヶ関の意図と現場の動き

 

実施のデザイン( 政策を実行する為の要領の話)

 

組織間の連携と調整 国と都道府県、市区町村、政策を直接住民に提供する機関との行政間での連携に関する話。

住民に直接行政サービスを提供する第一線職員の説明。

 

 

 

第6章では、評価  効果の測定と活用

セオリー評価の説明

プロセス評価

業務測定

インパクト評価

政策の設計から実施までと実施後の評価な話。

 

 

 

第7章では、公共政策をどのように改善するか

政策分析の改善

知識の多元性の確保

政策決定の改善

公共政策学の改善。

 

 

といったような流れで話が進んでいくこの作品を読むと生活に必要不可欠な政策の話や役人や政治家の公務についての理解が深まる良書です。

 

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